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オタクの戯言

オタクが思うがままに書き連ねていく、とりとめのないブログです

ズートピアは本当に評判通り面白いのか?(感想・ネタバレあり)

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はじめに

当ブログに初めてお越しのかたは初めまして、定期的に来てくださっているかたはいつもありがとうございます。あにおです。

「ズートピア」が公開された当初、Twitter等で度々その名前を目にする機会があったのですが、観たという人のほとんどが絶賛していました。

皆が一様に「面白い」というこの作品、一体どういうものなのだろうとずっと気になっていて、中々都合がつかずといった状態だったのですが、先日、念願かなってようやく観に行くことができました。

私の中では、もう相当面白い作品なのだろうと、かなり期待してしまっていたので、そのハードルたるや、モデル体型の人でも跳ぶのが難しいほどに高くなっていたのです。

そんな状態で観たこの「ズートピア」、評判通り面白かったのかどうか、忌憚のない感想を述べていこうと思います。

それでは、最後までお付き合いいただければ幸いです。

見た目の愛らしさに反して、テーマは結構重め?

物語は、主人公であるウサギ、ジュディの幼少期から始まります。

冒頭でいきなり、学芸会でしょうか、演劇が始まるのですが、その演劇がこの物語の世界観を説明する形になっていて、観客がすぐさま物語に入りこめる工夫がなされていました。

以前は本能的だった動物が、知性を備え、理性的なものへと進化し、肉食・草食関係なく共存するようになった最初の都市が、この作品のタイトルとなっている「ズートピア」。

動物たちはその進化によって、自由に自分の将来について夢を持つことができるようになったというのが、劇の内容でした。

ジュディは劇中で、ウサギ初の警察官になりたい!と目をキラキラさせて言っていたのですが、それを観ていた両親の顔色はあまり良くありません。
この時点で、おそらく観ている人は皆気付いたと思いますが、ジュディが演じているこの演劇は、この世界においては理想論でしかないようです。

肉食動物と草食動物が共存しているというのは、あくまでも表面上のことで、未だに肉食動物は草食動物を下にみる傾向にあったり、特定の種族に対して偏見があったり、身体的特徴を理由に、できる事とできない事を最初から決めつけてしまっている、そんな動物が多いようでした。

これは、登場人物を動物にしたことで若干マイルドになっているものの、その実、私たちが生きる現実世界の差別や偏見の事を描いているといえ、どちらかというと大人向けの作品なのかな?という印象を最初に抱きました。

それでもめげずに奮闘するジュディは「理想」、それをバカにするニックは「現実」

このように、この世界においては夢物語でしかない警察官という夢を、ジュディは見事にかなえます。

普通の作品であれば、「頑張れば夢は叶う」といった感じで、警察官になるところを最後に持ってきてハッピーエンドという感じでしょう。

しかし、この作品はそうではなく、序盤でここまでを描いており、前記のテーマをもっと掘り下げていきます。

警察官になり、念願のズートピアにやってきたジュディには、数々の困難が待ち受けていました。

それでもめげずに、自分の「よりよい世界を作る」という目標に向かって、一生懸命頑張るのですが、そんなジュディはある日、キツネのニックに出会います。

その出会いは最悪で、ニックの嘘にまんまとジュディが引っかかってしまい、更には、「ズートピアに来た田舎者は、理想と現実のギャップに耐えられず、結局故郷にとんぼ返りする」とジュディに言うのです。

実は、ジュディが故郷を離れる際に、彼女の父親が「キツネは嫌な奴だ」と言ったのに対して、「キツネがみんな嫌な奴とは限らない、ウサギにだって嫌な奴はいる」というシーンがありました。

そういった前フリも相まって、ニックのいやらしさが際立っていたのですが、他方で、何となくニックが言う事の方が、共感できてしまいます。

これは、物語においてジュディが「理想」の象徴であるのに対して、ニックが「現実」の象徴だからなのだと思うのですが、だからこそ、ニックの方に感情移入して観ていた人も多かったのではないでしょうか。

ストーリーはひねりすぎず、伝えたい事を丁寧に描き切っていた

ニックの登場後、ジュディとニックは協力して事件解決へ奔走するようになるのですが、二人の活躍によって一旦問題は収束します。

しかし、その際にジュディの不用意な一言が、ニックの信頼を失う事に繋がり、更には、「ズートピア」の価値観そのものを揺るがす事態へと発展していきます。

私はここで、「理想」を唱えてきたジュディでさえ、失敗してしまう事がある。「よりよい世界」を目指す者ですら、意図せずして真逆の事態を引き起こすこともあるという、ある種の教訓めいたものを描いているように感じました。

そこから、いったんは挫折し、夢をあきらめかけたジュディが、再び立ち上がって最後には見事ニックと協力し、事件を解決するに至るのですが、この“大オチ”の部分に関しては、かなりわかり易かったというか、容易に予想することができます。

もっとも、これは製作者があえてそうしたのではないかと私は思っていて、いたずらにストーリーを複雑にすることで、本当に伝えたいことがぼやけるのを避けたかったのではないかなと。

そのおかげか、私なりにですけど最後まで観て、この作品がどういう事を言いたいのかを想像することができましたし、単純すぎず、かといって複雑すぎないという絶妙な構成だったように思います。

多様性を認め、皆が平等にチャンスを与えられる世界

最初、私はこの作品は大人向けなのかと思ったのですが、そういうわけではなく、むしろ子供にこそ観てほしい作品だと思います。

この作品にはかなり色々なメッセージ性が込められているような気がしていて、幼少期のジュディからは、「世界の常識に照らして可能性を自分から否定しない」ことの大切さを、序盤のニックからは、「他者への何気ない言動が、その者の人生を狂わせる」ことの危険性を、中盤のジュディからは「自分が常に正しいとは限らない」ということを、肉食動物への排他的な流れからは、「差別されてきた者が差別をする事の虚しさ」を、終盤のニックからは、「いつでもリスタートできる」ということを、ジュディとニックの関係からは、「種族が違っても分かり合える」という事を、それぞれ私なりにですが感じ取りました。

タイトルの「ズートピア」は、おそらく動物の理想郷を略したものだと思うのですが、これらはきっと今の段階ではその名の通り「理想」でしかないのでしょう。

しかし、このような誰もが多様性を認めて、皆に平等にチャンスが与えられるという価値観が、いずれ現実世界においてもすんなりと受け入れられるようになってほしい、そんな願いのようなものがこの作品には込められていたように思えてなりません。

おわりに

物語の核心や、オチがわかってしまうと面白さが半減してしまうので、かなり抽象的に書いてしまった気がしますが、私が考えるズートピアにおいて作者が伝えたかったことは、前記のような感じです。

冒頭でも述べた通り、テーマとしては重めなものではありますが、登場人物を動物にしたことや、間にコミカルな表現がいくつも挟まれていたことから、重すぎて辛くなるというようなことはありませんでした。

また、ストーリーとしても、決して大人向けの複雑なものというわけではなく、かといって子供向け過ぎるわけでもない、起承転結がしっかりと描かれた丁寧なもので、観終わった後にスッキリできる素敵な内容だったと思います。

もちろん、もっと複雑な話が良かった、どこか説教臭いというような、マイナスの印象を抱く人もいるかもしれません。

ただ、私個人としては、そういったことは気にならず、タイトルの問いに答えるのであれば、シンプルに「面白かった」です。

ハードルが上がっていた状態で、ここまでの満足感が得られるとは思っていなかったので、本当に観に行って良かったと思っています。

まだ観に行っていないという人で、少しでも興味がある人は是非観に行ってみてはいかがでしょうか。


長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。

それでは、またのお越しをお待ちしております。