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オタクの戯言

オタクが思うがままに書き連ねていく、とりとめのないブログです

劇場版「ONE PIECE FILM GOLD」は大ヒットにふさわしい内容だったのか(感想・ネタバレあり)

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はじめに

当ブログに初めてお越しのかたは初めまして、定期的に来てくださっているかたはいつもありがとうございます。あにおです。

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入場者プレゼントです。

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トランプの中身はこんな感じでした。正直これだけでも行った価値はあったと思っています。

先週の7月23日(土)から、「ONE PIECE FILM GOLD」が公開となりました。

翌日の24日(日)と合わせて、2日間で観客動員数は約82万人、興行収入は約11.5億を記録しており、東映劇場の調査では、24日の満足度は99.7%にも上ったそうです。

そんな劇場版 ONE PIECE、当初は観に行くつもりはなかったのですが、入場者プレゼントにコミックス巻七七七と、オールスターゴールドトランプがつくという事で、それならばと観に行くことにしました。

まんまと釣られたわけです。

が、私は、漫画を購入する際、内容を楽しむという目的に加えて、コレクションするということも目的となっているため、手に入れずにはいられなかったのです(これまでの巻零と巻千ももちろん持っています)。仕方がないのです。

ということで、今回はこの「ONE PIECE FILM GOLD」が内容的にどうだったのかについて、書いていきたいと思います。

それでは、最後までお付き合いいただければ幸いです。

時系列的にはサンジ奪還編のあと?

冒頭、今回の舞台となる「グラン・テゾーロ」へとサニー号で向かう麦わらの一味でしたが、そこには全員の姿がありました。

また、作中、テゾーロがドフラミンゴ撃破について言及していましたし、ルフィたちの懸賞金も撃破後の懸賞金になっていました。

このことから考えると、今回のお話はサンジを奪還した後すぐに起きた可能性が高いです。

加えて言うと、懸賞金が上がっていなかったということは、原作との整合性を考えると、サンジ奪還編が終わったとしても、麦わらの一味の懸賞金は上がらないという事が考えられます。

冒頭の演出はど派手で、劇場版にふさわしいものだった

さて、肝心の内容ですが、冒頭部分で何の説明もなしに、いきなりテゾーロとカリーナによるショーから始まったというのは非常に引きつけるものがありました。

グラン・テゾーロの豪華絢爛で、きらびやかな様子がこのショーによって更に強調されていて、ルフィ達が圧倒されている様子にかなり共感できます。

また、カジノで負けたというロングロング海賊団と、いきなり戦闘になるというのも良かったです。

ここで改めてルフィ達の強さがわかって、後半にあるであろうテゾーロの強さがこことの比較で際立ちますしね。

この時点での私の印象は、掴みはオッケーといった感じでした。

グラン・テゾーロ内は尾田ワールド全開

物語が核心へと入る前に、グラン・テゾーロ内をバカラが案内してくれるのですが、そこに登場する物や施設などは、尾田さんが描く独特の表現ばかりでした。

車の動力源が亀だったり、街が見渡す限り金でできていて、映像電伝虫に監視されていたり、カジノ内のゲームが巨大だったり・・・。

こういった夢のある表現は、毎度の事ではありますが、流石だなと思います。

これまでの華やかな雰囲気から一変、物語が大きく動き出す

ここまでは、起承転結でいうところの起の部分でしたが、ここから一気に雰囲気が変わります。

観ている人のほとんどがおそらく抱いていた、あまりにも順調すぎるという違和感の正体が明らかになるのです。

これまで順調だったのは、全部テゾーロの罠で、まんまとその罠に引っかかったルフィ達は、ゾロを人質に取られてしまいます。

ここから、一気に物語が進み、カリーナと協力してテゾーロの資産(通称、テゾーロマネー)を盗み、それでゾロを奪還しようという流れになります。

この辺りで、観ていて若干の違和感が生じてきているのですが、とりあえずはそのまま動向を見守れる程度のものだったので無視しました。

計画は失敗し、ルフィとフランキーがゴールドプリズンへと落とされた辺りで、いよいよ違和感が無視できないレベルに

まず、先に前述した違和感について言及すると、ルフィたちがテゾーロマネーを盗む計画を店で立てている時のことです。

その店で、子供が2人、テゾーロの部下に絡まれるシーンがあるのですが、そこでその店の店主が頭を踏みつけられても一切反抗せずに、その場を収めます。

そのことに対し、ルフィは何故戦わないのかと憤るのですが、ここでかなり強い違和感を覚えました。

私の中で、ルフィというキャラクターは、馬鹿正直でまっすぐなため、一見すると何も考えていないようにも見えますが、実はちゃんと考えていて物事の本質を捉えている。これはきっと、彼のシンプルさからくるものなのだろうという印象を今まで抱いていました。

この印象からすると、ルフィは店主の意図を汲んで、テゾーロの部下や、テゾーロ本人に対して怒りを燃やすのが自然ですが、どちらかというと店主や子供に対して怒っているように見えます。

ただ、この時点では、一応こういった現状に対して怒っているようにも見えなくはなかったので、無視できる範囲の違和感ではありました。

しかし、ゴールドプリズンにて、ルフィが高速で回るファンに何度もつっこむ描写で、その違和感が一層強くなります。

いくらルフィが馬鹿正直とはいえ、高速で回るファンに考えなしに突っ込むというのは、馬鹿正直というレベルを超えています。

そんな考えなしに突っ込む姿を見て、レイズ・マックスや他の囚人たちの心が動かされるというのも、少々説得力に欠けます。

無茶でも何かしら考えがあって、でもいくらなんでもルフィだけでは難しくて、それでもルフィは諦めず、命がけで前へ進もうとしていて・・・というストーリーがないと、赤の他人が命を懸ける動機としては弱いのではないでしょうか。

終盤はもうストーリーではなく、絵で魅せることに重点を置いた感じ

こうした違和感は、終盤のストーリーにも出はじめます。

麦わら一味は、それぞれがかなり強くなってしまっており、特にルフィの強さは群を抜いています。

そのため、新しく出てきた強い敵と戦う事になったとしても、最後には絶対に勝つことがわかっているので、全くハラハラすることがありません。

ラスボスとの戦闘といえば、物語の上で最も盛り上がるシーンなのに、これでは物語全体がつまらないものになってしまいます。

ではどうすればいいかというと、敵をルフィよりも圧倒的に強くするか、敵の強さは同じくらいにして、ルフィ側に制限を設けるかすればいいのです。

前者であれば、圧倒的に強い敵に対して、一度は敗れるものの、攻略法を見つけたり、新しい技を身に付けたり、あるいは精神的な部分から攻めたりするというアプローチが考えられます。

他方、後者については、今回の人質や、物理的にルフィの身動きを取れなくして、他の仲間が頑張るというアプローチが考えられますし、その制限が解除されたときのカタルシスは筆舌に尽くしがたいものがあります。

前置きが長くなりましたが、今回の映画はどうだったかといえば、このどちらでもなく、「同じくらいの強さの敵に対してただゴリ押しする」というものだったのです。

最初はギア2で特攻して返り討ちに遭い、次にギア3で挑むも、また返り討ちに遭う。そして最後にギア4で見事テゾーロを撃破という流れで、予定調和感がどうしてもぬぐえませんでした。

ただ、観客が子供の場合であれば、むしろこれくらいシンプルなほうがわかり易くて良かったとも言えます。

ラストで金の塊で巨大なテゾーロを作ってそれと戦わせたのも、「なんかでっかい敵に勇敢にも立ち向かっていって、最後はそれをものともしないで倒して格好いい!」といった感じで、絵的にわかり易かったですし、テゾーロの背景をあえて省いたことで、よりシンプルに悪い奴をルフィがやっつけたように見えたでしょう。

つまり、大人向けの作品としてはあまりにも内容がなく、どうしても物足りなくなってしまいますが、子供向けの作品としてはかなり素晴らしい出来だったといえるのだと思います。

おわりに

以上のように、今回の劇場版は、子供であれば大ヒットにふさわしいと感じると思いますが、大人の場合はかなり物足りなく感じる内容になっていました。

個人的には、テゾーロの背景をかなり掘り下げていたようなので、そこをもっと上手く使って欲しかったです。

ゴルゴルの実の能力者が、周りに金を集めることで無敵になっていて、いくらルフィたちでも倒せない。そんな中、テゾーロへの攻撃はほぼ効かないにもかかわらず、それを身を挺して防ごうとした女性がいた。そんな行為を一笑したテゾーロに、ルフィが怒り、彼女の行動の意味を叫んで、それがテゾーロの悲しい過去とリンクして精神的に弱っていく。

ベタではありますが、こういう流れのほうがせっかく掘り下げたテゾーロの背景を無駄にしなくて済みますし、いやらしい言い方をすれば泣かせるシーンも作れて一石二鳥だったように思います。

ほかにも、ルッチとスパンダムを再び登場させた割には、あまりストーリーに絡んでこなかったり、貧しい子供の兄妹と麦わらの一味との絡みが(個人的に)不十分だったりと、中盤~終盤はかなり物足りなかったです。

ただ、戦闘シーンでは、仲間の数が多すぎるため、場面転換が激しく落ち着いて見られないという問題が、共闘という形で解消されていたのは良かったですし、最後のカリーナのオチは、読めはしたものの綺麗にオチていたと思います。

ストーリーとしては大ヒットにふさわしいとはいえないものの、エンターテインメントとしては素晴らしい。そんな作品だったといえるのではないでしょうか。


長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。

それでは、またのお越しをお待ちしております。