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エルフェンリートはグロいからと止めたら後悔するような名作だった(感想・ネタバレ)

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はじめに

当ブログにお越しいただき、恐悦至極にございます。あにおです。

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出典:岡本倫『エルフェンリート』公式サイト(集英社、2002)

「鬱になる漫画・アニメといえば?」という問いに対して、必ずといっていいほど出てくる作品の一つがこの「エルフェンリート」という作品です。

著者は岡本倫さん。現在でいえば、「極黒のブリュンヒルデ」の著者というのが最も有名かと思われます。

私はこの作品を一度アニメで観ていたはずなのですが、どうしてか全く記憶に残っておらず、どういった作品だったのか思い出せませんでした。

最近になってふと作品名を目にして、どうにも気になってしまったので全12巻を一気に読んだ次第です。

という事で、今回はこの作品について感想を書いていきたいと思います。


それでは、最後までお付き合いいただければ幸いです。

※長々と読んでられない!という場合は目次の「忙しい人のためのまとめ」から飛んでください。

初見ではないのに記憶になかった理由と導入のあらすじ

全巻読んでみて記憶に残っていなかった理由がよくわかりました。

この作品、当時まだ幼かった私にとって記憶にとどめるには重すぎたのです。

一応最終的にはハッピーエンド(?)の部類には属するとは思うのですが、それまでの過程は終始シンドイというか読んでいて暗くなる展開ばかりでした。



簡単にこの物語の導入を説明します。

新人類と称される頭に2本の角を有している「ディクロニウス」であるルーシーは、ベクターという見えない腕を行使し人類を抹殺するように遺伝子が作られていた。

そんなルーシーとコウタは幼少期に鎌倉で出会っており、角があるという理由で周りから偏見の目で見られていたルーシーをコウタだけは特別視せず、そんなコウタにルーシーは恋心を抱くようになる。

しかし、些細なすれ違いからコウタへの想いはルーシーの一方的なものであり、コウタ自身は単にルーシーが珍しいだけだったのではないかと疑念を抱く。

こうして唯一の拠り所であるコウタを失った(と思った)ルーシーは、コウタの家族である父親と妹をコウタの目の前で惨殺し、コウタはそのショックでその時の記憶を失ってしまう。

それから月日が流れ、コウタは大学生となり大学に通うために再び鎌倉へと訪れ、そこで捕らえられていた研究所から逃げ出したルーシーと再会するも、ルーシー自身も記憶を無くしており二人の関係がリセットされた状態でまた始まる。

といった感じです。

作品のテーマは“正しさ”とは何かではないか

この作品は一見するとエロスとグロテスクさが目立ちますが、私は読んでいてそういったところよりも、正義とは何か、正しいとは何なのかという疑問を読者に投げかけているように感じられました。

というのも、確かに人類を殺害するディクロニウスは一見すると悪なのですが、そのディクロニウス達は親の愛情を受けることなく幼少期に研究所へと連れていかれ、思わず顔を背けたくなるような実験をされています。

まだ幼いにもかかわらずそのような仕打ちを受ければ人間を恨むのは当然ですし、そんな幼い子供に対して非人道的な実験を繰り返し行う人間を果たして正しいといえるのでしょうか。



また、ルーシーは幼少期頭に角があるという理由で、養護施設で一緒に暮らしていた同い年の子供から差別を受けます。

もちろん子供だからという理由で差別は許されるものではありませんが、子供というのは判断能力がまだ未熟なためそういった軽率な行動を取りやすいのも事実です。

そんな子供を躾け、正しい道へと導くことが大人の責務であると私は思うのですが、この作品では肝心の大人たちもルーシーを気味悪がり差別します。

ただでさえ、親から捨てられたルーシーが施設の誰からも愛情を受けることができなければ、寂しいと感じるのは当然でしょうしそれが憎しみへと変わるのも自然なことだと思います。

事実、そんなルーシーに対して偏見の目を持つことなく接したコウタには心を開いていますし、最終的には人類への殺人衝動というDNAレベルの本能を、コウタからの愛情を力として理性で封じ込めています。

そんなコウタも、ルーシーによって家族を殺されていたことを思い出したにもかかわらず、それでもなおルーシーへの態度を劇的に変化させていません。

このようなコウタのフラットな態度こそが“正しい”のだと思います。

人はそれぞれ色々な背景を持っていて立場も違うけれど、1対1で接する時にはそれらすべてを忘れ、目の前の“人間”をありのままに受け入れることこそが大切なのではないでしょうか。

そんなことを、この作品を読んでいて思った次第です。

忙しい人のためのまとめ

  • 新人類のルーシーはコウタに恋心を抱くも、すれ違いからコウタの優しさを疑い彼の家族を殺害し、大人になったコウタはその時の記憶を無くした状態でルーシーと再会するというのが導入
  • エロスとグロさが目立つが、正しさについて考えさせられる内容にも注目
  • 相手と接する時はありのままに受け入れ、色眼鏡で見てはいけないというメッセージ性がある

おわりに

この作品は、冒頭にも述べた通り読んでいてかなり憂鬱な気持ちになりますし、グロテスクな描写もかなり多いため読む人を選ぶかもしれません。

しかし、読んでいてかなり考えさせられる部分も多く、自分のこれまでの振る舞いはどうだったのかと省みるきっかけにもなると思います。

グロテスクな描写に少しでも耐性があるのであれば、是非一度読んでもらいたい作品だなと全巻通して読んだ今素直に思います。



長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。

それでは、またのお越しをお待ちしております。

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