オタクの戯言

オタクが思うがままに書き連ねていく、とりとめのないブログです

「ミスマルカ興国物語Ⅰ」は最後のカタルシスが尋常じゃない作品でした(感想・ネタバレ)

スポンサーリンク

はじめに

当ブログにお越しいただき恐悦至極にございます。あにおです

f:id:aniota-alvarado:20160603115453j:plain
出典:林トモアキ「ミスマルカ興国物語 第1巻」(角川スニーカー文庫、2008)

少し前になりますが、当ブログでラノベを大量に読む友人からおすすめされた「社会的には死んでも君を!」についての感想を書きました。

今回、その友人からまた面白いよとおすすめされて読んだ「ミスマルカ興国物語Ⅰ」が思いのほか素晴らしかったので、感想などを書いていきたいと思っています。


それでは、最後までお付き合いいただければ幸いです。

※長々と読んでられない!という場合は目次の「忙しい人のためのまとめ」から飛んでください。

主人公は国中の誰からも舐められている“アホ王子”

異世界にあるミスマルカ王国を中心にこの物語は描かれており、魔法や魔人・魔物が当然に存在するファンタジーものとなっています。

主人公はそのミスマルカ王国の王子であるマヒロという人物。

通常、ラノベの主人公というと何かしら一つは秀でたものがあるのですが、本作の主人公であるマヒロは一国の王子でありながら剣も魔法も使えず、国中から“アホ王子”とバカにされています。

が、もうこの時点で察しの良い人であればわかると思いますが、この王子には何かあるという雰囲気が少し読んだ段階で漂っております。

そういった描写が早くから描かれているので、読んでいる人は常に「この王子の行動には一体どういう意味があるのだろう?」と考えながら読めますし、先の展開への期待感から飽きることなく一気に読むことができるでしょう。

国王の不在をきっかけにマヒロの真価が明らかに

そんな良いところのないマヒロ王子、帝国の侵攻をきっかけにゼピルム共和国との同盟の道を探るべく、国王が城をしばらくの間空けることで状況に変化が訪れます。

王が不在の間、国政を担う人間としてマヒロが国を任されることになるのですが、そのまま何事も起こらず国王が返ってきたのでは何の物語性もありません。

当然、一大事というような事が起きるわけでして、王の不在を突き戦姫と名高いセナス率いる帝国側の精鋭部隊が秘密裏に攻めてきたのです。



周りの評価通りのアホ王子であればもうこの時点で詰んでいるわけですが、前記の通りマヒロには「何かある」わけでして、その“何か”がセナスの進行度合いに応じて徐々に明らかになってきます。

が、具体的に王子が何をしているのかは終盤まで明らかにはなりません。

普通はここまで引っ張られると逆にダレてしまったり、じれったさから不快感を覚えたりしそうなものですが、読んでいてそういった負の感情は一切湧いてきませんでした。

その要因として大きいのは、王子の護衛を務めている近衛騎士のパリエルを始め、個性豊かな登場人物とテンポの良いやり取りが常に行われているからだと思います。

王子が何か仕掛けているという描写と、主要人物との軽快なやり取りとのバランスが非常に良かったですね。

最後に畳みかけるように繰り広げられるマヒロワールド

やはり物語のオチは実際に体感してもらいたいので詳しいことは避けますが、最後にマヒロがセナス達と繰り広げるやり取りは圧巻の一言でした。

今までの布石と新しくマヒロが仕掛けたものとがかみ合って、そこにミスマルカ王国がどうなってしまうのかというハラハラ感も加わって臨場感が尋常じゃなかったです。

また、セナスと同様に読者である我々もどこまでが本当でどこまでが嘘なのかがわからず、最終的には「やられた!」と良い意味で裏切られました。

そして最後の最後で明らかにされるマヒロの野望。今回はオススメされたということで1巻だけを読んだのですが、2巻以降も是非読みたくなりました。

位置関係の分かり難さと大風呂敷への不安

ここまでの書きぶりからもわかると思いますが、物語自体は「良作」と言っても過言ではないほどに面白かったです。

が、だからといって全部が全部良かったかというとそういうわけでもありません。

私が読んでいて唯一気になったのが、ミスマルカ王国を中心とした周辺国との位置関係です。

マヒロの戦略上この位置関係は重要な意味を持つのですが、それが一番最初の目次の部分にさらっと描いてあるだけで、本編では一切描かれておりません。

本作のような異世界の話では、位置関係についてもしっかりと描いていただかないと中々読むときに想像し難い部分があります。

そのため、逐一位置関係や軍がどこからどう進軍しているのかなどを描いていただけると、もっと読み易かったかなあと。

あと、こちらはあとがきでご自身も触れておりましたが、物語の最後でかなり壮大な目標をマヒロが掲げているので、それが最後にちゃんと回収できるのかという不安を少し覚えました。

忙しい人のためのまとめ

  • 主人公のマヒロは“能ある鷹”タイプで序盤は何かあるという雰囲気しか描かれていない
  • 国王の不在で国を任されてから徐々にその真価が発揮されてくるが終盤までは明らかにならない
  • 最後にこれまでの伏線が一気に回収される様は圧巻で、読み終わって「やられた!」という気持ちになる

おわりに

最後に若干苦言を呈したものの、前回紹介した作品もそうでしたがラノベ通の友人が勧めるだけあってかなり面白く、一気に読んでしまいました。

本作品のような力の弱い者が知恵だけで戦っていくというテイストの物語は、作者の文章力が相当なければ成立しません。

そういった意味では、このミスマルカ興国物語は全く心配する必要がないというか、読んでいて敵同様翻弄されてしまったくらいです。

また、前回紹介した作品と同様に本作品の主人公が好感を持てる青年だったというのも、読み易かった理由の一つだと思います。

ライトノベルに興味はあるけど何を読んだらいいのか・・・という人で興味を持たれた方も、ラノベは色々読んでいるけどこれは知らなかったという方も、是非一度読んでみて欲しいですね。



長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。

それでは、またのお越しをお待ちしております。

Copyright © 2016-2018 オタクの戯言 All rights reserved.